Vintage Harry Winston advertising campaigns including a high jewelry necklace on a bust, the House's logo aside colorful gemstones, and watercolor gemstones

Rare Jewels of the World(世界の希少な宝石)


1932年にハリー・ウィンストン社を設立するより以前から、創始者はすでに世界で最も素晴らしいダイヤモンドを取り扱う宝石商としての評判を得ていました。ハリー・ウィンストンは“キング・オブ・ダイヤモンド”として知られていましたが、彼の比類なき宝石学に関する知識は、ダイヤモンドのみならず、鮮やかなルビーやエメラルド、サファイアにまで及びました。彼の最高級の色石を見分ける鋭い審美眼はブランドを支える柱の1つとなり、長年にわたり世界で最も希少な最上級の宝石を扱うことへの布石となりました。

Newspaper clippings noting the sale of incredible estate jewelry

歴史的なエステート・ジュエリー

競争の激しいダイヤモンド業界でビジネスを展開することの難しさを理解していたハリー・ウィンストンは、希少な宝石を獲得するための新たな方法に着目しました。それは、エステート・ジュエリーのオークションです。1920年代半ば、ハリー・ウィンストンは社交界のレベッカ・ダーリントン・ストッダード夫人やアラベラ・ハンティントン夫人が所有していた、非常に価値の高いエステート・ジュエリーの多くを獲得しました。1930年、彼はさらにある伝説的なコレクションを手に入れます。貸厩経営から採鉱王となったラッキー・ボールドウィンのエステート・ジュエリーです。その中には希少な25カラットのルビーをはじめとする1,000カラットもの宝石が含まれていました。

Close up of newspaper clipping featuring an incredible necklace acquired at an estate jewelry auction
このような希少な宝石は、100年に一度しか見ることができないだろう。
ハリー・ウィンストン
Image of The Stotesbury ring featuring a hexagonal-shaped Colombian emerald center stone weighing a total of 34.40 carats

ストータスベリー

ハリー・ウィンストンがボールドウィンのエステート・ジュエリーを獲得して間もなく、ある名高い宝石により彼は更なる伝説を築き上げました。「ストータスベリー」と名付けられた、34.40カラットもの六角形のコロンビア産エメラルドです。「ストータスベリー」は非常に特別な出自を持っていました。かつてエヴァリン・ウォルシュ・マクリーンやフィラデルフィア社交界のエヴァ・ストータスベリーなど、錚々たる著名なコレクターにより所有されていたのです。最上のクオリティと比類のない由来を持つ「ストータスベリー」は、ハリー・ウィンストンの華やかな歴史の中でも中心的存在をなすカラーストーンといえるでしょう。


The Court of Jewels

コート・オブ・ジュエルズ(宝石の宮廷)

ビジネスで成功するにつれ、ハリー・ウィンストンは貴重な宝石への情熱を世界中の人々と分かち合いたいという願いを持つようになりました。彼は所有する希少な宝石コレクションの数々を通じて、多くの人々を啓蒙し、地域の慈善事業のため寄付を募り、そしてワシントン D.C.にあるスミソニアン博物館の「ナショナル・ジェム・コレクション」設立に貢献しました。ここでは今日も多くのハリー・ウィンストンが所有していた作品が常設展示されています。これらの取り組みは、1949年から開催された、最も貴重で歴史的価値の高い宝石コレクションをあまねく人々に披露する展示会から始まりました。この「コート・オブ・ジュエルズ(宝石の宮廷)」として知られる展示会は、アメリカ国内や世界中の各都市を巡回し、そこで集められた基金は開催地で活動している慈善事業団体に寄付されました。このなかで披露された貴重なコレクションの中には、「ホープ・ダイヤモンド」や「スター・ オブ・ザ・イースト」、エカテリーナ大帝の337.10カラットのサファイアや、かつてインドーレのマハラジャが所有していたとされるエメラルドのネックレスなど、世界中の伝説的なジュエリーが含まれていました。

"「私たちの展示会が素晴らしい芸術作品に触れることのできる機会となることを願っております。素晴らしい絵画や彫刻のようなものは、1人のためだけではなく、広く人々のためにあるのですから。」
- エドナ・ウィンストン"

スミソニアン博物館

スミソニアン博物館

ハリー・ウィンストンとスミソニアン博物館との長年にわたる関係は、1958年にハリー・ウィンストンがホープ・ダイヤモンドを寄贈した時から始まりました。今日、この伝説的な宝石と並んで、数々の貴重なハリー・ウィンストンのジュエリーが展示されています。30.92カラットのブラックオパールをあしらった孔雀のブローチ、195カラットの鮮やかなサファイアを用いたクラシックなフリンジ・ネックレス、58.74カラットのルビーがセッティングされたブレスレット、そしてその美しいフォルムで有名な「ガチャラ」として知られる並外れた858カラットのコロンビア産エメラルドの原石などです。スミソニアン博物館のハリー・ウィンストン・ギャラリーは、まさに“キング・オブ・ダイヤモンド”のビジョンと情熱の証です。